ゼロエネルギー住宅に補助 国の概算要求

2011年8月31日

 ゼロ・エネルギー住宅への補助が、平成24年度予算の概算要求に盛られた。
 住宅政策では、国土交通省と経済産業省がゼロ・エネルギー住宅の普及推進を目的とした補助金制度の創設などを盛り込んだほか、省エネ性能の認定制度を立ち上げ、認定住宅に税制優遇を行うことも計画。環境省ではリフォームのみを対象とした「節電リフォーム推進エコポイント制度」を実施する考えだ。

 

1次エネルギーゼロに 
 概算要求なので先行きは不透明だが、住宅関連事業の目玉となりそうなのが、ゼロ・エネルギー住宅への補助・支援。
 省CO2と省エネ推進を目的に、国交省では断熱性能を高められる先導的省エネ技術の導入や、再生可能エネルギーの活用による創エネ・蓄エネにより年間の1次エネルギー消費量が正味ゼロになる住宅=ゼロ・エネルギー住宅の建設を支援する「ゼロ・エネルギー住宅推進事業」に50億円の予算を要求。
 経産省でも、ゼロ・エネルギー住宅・公共建築物の新築・改修事業に補助を行う「住宅・建築物のネット・ゼロ・エネルギー化推進事業」に140億円の予算を要求している。

 

 ゼロ・エネルギー住宅のイメージは、躯体や設備の省エネ性能向上によってエネルギー消費量を削減し、削減後のエネルギー消費量は太陽光発電などの活用によって作られたエネルギーでまかない、年間の1次エネルギー消費量が正味(ネット)ゼロまたは概ねゼロになる住宅と説明。具体的には躯体の高断熱化や太陽光発電、太陽熱温水器、高効率給湯設備、高効率エアコン、蓄電池、HEMS(ヘムス)の導入などが想定されている。

 

長期優良住宅の補助は形を変えて継続 
 国交省は中小住宅会社が建設する長期優良住宅に100~120万円を補助する木のいえ整備促進事業の内容を見直し、地域ごとに原木供給元や製材工場、プレカット工場、中小工務店などの連携による木造の長期優良住宅に対して支援を行う新しい事業として実施する考え。

 

 経産省では家庭等の節電支援を強化するため、住宅用太陽光発電と家庭用燃料電池のエネファームに対する補助を継続要望しているほか、蓄電池やヘムスの導入支援も要望。23年度第3次補正予算と24年度予算を一体化して取り組む考えで、住宅用太陽光の予算要求額は127億円と前年度の3割程度だが、エネファームは前年度比9億円増の96億円としている。